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進水式 [touring]

ANNA-ELISABETH

川崎造船・第4船台

10月31日。積載量55,000トンのバラ積運搬船の進水式があり、神戸市中央区の川崎造船まで自転車で行ってきました。
進水式を見るのは初めてです。
実は川崎造船のHPに見学会の案内があったので、事前に応募していたのです。
9:15から受付なのに、会社のある播磨町を出たのが、7:40。
1時間半しかありません。途中の休憩は無しにして爆走です。

今回の船を紹介します。
船名  ANNA-ELISABATH
全長  189.90m
長さ(垂線間長)   185.00m
幅(型)    32.26m
深さ(型)  17.80m
夏季満載喫水(型)   12.5m
総トン数   31,000t
載貨重量   55,100t
主機関   KAWASAKI-MAN B&W 6S50MC-C × 1基
連続最大出力 8,200kw×110回転/分

数字が大きすぎて何だかピンときませんね。


下から見上げる船側はまるで垂直な壁。


船底の大きさにも驚くばかりです。

そして船首部分です。

巨大すぎて、全部入らない・・・

船首付近から、船側にかけて。

船側についた5つのドラグウエイト。

これは進水後に制動をかけるためで、左右両舷についています。

この「ばら積運搬船」の特長について、以下のようにアナウンスされてました。
船型は船首楼付き平甲板型と呼ばれるもので、5船倉を有し、積載貨物は穀類、石炭、鉱石、鋼材などで、これらの貨物の運搬に適した船倉形状としています。
また、新しく開発された抵抗の少ない滑らかな船首形状の採用で、従来船型と比べて燃料の節約を可能としています。
ハッチカバー間の船体中心線上に4基の30トンデッキクレーンを装備しており、荷役設備のない港湾でも荷役作業が可能です。

進水式は「船台方式」です。これは、傾斜した滑走台にワックスを塗り、滑走台をスライドして海上に進水させるものです。
ドックに海水を満たし、船を浮かせ、タグボートで引っ張り出すという「ドック方式」というのもありますが、進水式を楽しむには、この「船台方式」の方が情緒があっていいですよね・・・

船体の乗っかった船台の様子です。

船首下の部分。


船体中ほどの部分。


船尾部分。


着水は船尾からです。
進水式は潮加減が重要で、船が安定して進水できるように、満潮前後に行うみたいですよ。

滑走台には約3度の傾斜があり、そのままでは滑ってしまうので、船体はトリガーという装置といくつもの砂袋で動くことがないよう固定されています。

作業員

川崎造船のマークの入ったスカイブルーのヘルメット。


足元は、鉄板の入った安全靴とレッグカバーで危険からしっかり守ります。


連絡用の信号機。

作業場が広大なため、トランシーバーや携帯での連絡となりますが、各部門の作業状況を伝えるアナログの信号機も活躍していていました。


一般客からの質問や、作業の説明を気さくにしてくれる作業員の方たちもいました。


見学客も増えてきましたね。

そして、式典の始まりです。

船首正面に設置された舞台では、10:10から式が始まり、船主であるドイツの関係者による命名式、花束贈呈、記念撮影と続き、最後にロープカットで進水という段取りでした。

神戸市消防音楽隊の演奏の中、進水記念式典は盛り上がります。

船名の披露。

船名の部分の幕が開き、名前が披露された瞬間。

そして、いよいよ進水。

砂袋が次々に破られ、船体をいつでも滑らせることが出来る状態となりました。

係員の合図で、船を繋いでいた支綱が船主の女性によって切断されます。
シャンパンが船首に当たり酒びんが割れ、「ヒップヒップヒップ フラー」
進水を祝う掛け言葉がドックに響き渡ります。

Hip Hip Hip Hoera
ヨーロッパではこの言葉で誕生日を盛大にお祝いするとのこと・・・
進水式の儀式の言葉にもなっているんですね。

トリガーが外され、とうとう船が動き出しましたぁ!

風船が空を舞います。

くす玉が割られ、紙吹雪が舞い散る。いよいよハイライトのシーン。

五色のテープがたなびき、ビルディングのような巨大な構造物が一気に滑っていきます。

あまりの迫力に体が震えます。

着水の瞬間!!

船体にブレーキがないので、着水と同時にドラッグチェーン(いかり)が投げ込まれます。

続いて、両舷についていた計10個のドラグウエイトが投げ込まれました。

船の進む方向をコントロールするためです。写真のように水しぶきがあがってます。


あるじの去った船台の姿。


海面に浮かんでくるのは、船体とレールの間にあった木製滑走台。すぐにボートが回収します。


このあと、船は海上で仕上げにかかり、試運転を経て、船主に引渡されます。
そして、処女航海に出るのは来年になってからとのことでした。

優れた造船技術を駆使して建造された大型船舶。
日本が誇れるもののひとつでしょうね。
しかし、すんごい迫力でした。
進水式はちょっと癖になりそうです。

本日のデータ 走行時間4:51 走行距離96.21 Av19.7 Mx42.6 総走行距離2402.8

進水式の次回の案内と、ムービーを見たい方はこちら: 川崎造船のHP「進水式」


タグ:神戸
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